「モダニテイ～どこから、ここに、そしてどこ

　へ～」（１，０００円）

講話「近代化」思想のキリスト教的前提と展開

下巻、「近代民主主義、近代資本主義とキリスト教」　（１１７Ｐ）

　ウオーラステインの説く「解放の近代性」である近代民主政治と近代資本主義が、キリスト教を否定して成立したとする、啓蒙史観（古代ギリシャールネッサンスーフランス革命）の近代化理論への歴史実証的反論です。即ち古代ユダヤ・キリスト教ー宗教改革ーピューリタン英米市民革命による近代化キリスト教起源論です（イエリネック＝大木英夫、ウエーバー＝大塚久雄）。また福音主義の立場によ

　る近代以後（ハイパー・モダン）社会の展望を描きます。政治と経済を別々に

　論じた著作はありますが、著者の立場から総合的に論じたものは初めてです。

　　　　　　　　　目　次

　　講話、「近代民主主義政治、近代資本主義経済とキリスト教」

第一講　　　　　中間考察

　一、二つのモダニテイ

　　（ａ）二つの近代性

　　（ｂ）近代の意味

　　（ｃ）日本のポスト・モダン論

　　（ｄ）ハイパー・モダン論

　　（ｅ）上巻、「（科学）技術の近代性」の要約

　　（ｆ）下巻、「解放の近代性」の見通し

　二、近代をめぐる「大きな物語」の崩壊と再構築

　　（ａ）マルクシズム

　　（ｂ）物語論

　　（ｃ）社会史

　　（ｄ）「大きな物語」としての歴史

　　（ｅ）現代の「大きな物語」再構築と「小さな物語」

　　　（Ⅰ）サミュエル・ハンチントン、「文明の衝突」

　　　（Ⅱ）エマヌエル・トッド、「民主主義以後」

　　　（Ⅲ）フランシス・フクヤマ、「歴史の終わり？」

　　　（Ⅳ）梅棹忠夫「文明の生態史観」と川勝平太「文明の海洋史観」

　　　　（ア）遷移論

　　　　　（１）「産業革命」と「勤勉革命」

　　　　　（２）チャレンジ・アンド・レスポンス

　　　　　（３）３Ｍ

　　　　　（４）掘り起こし共鳴理論

　　　　　（５）宗教の役割

　　　　（イ）極相論

　　　（Ⅴ）インマニュエル・ウオーラーステイン、「世界システム論」

　　　　　（１）世界システム

　　　　　（２）帝国主義的システム

　　　　　（３）近代資本主義的システム

　　　　　（４）ヘゲモニー

　　　　　（５）対抗システム論

　　　　　（６）世界システム論批判

　三、立ち位置

　　（ａ）神とカイザルの関係

　　（ｂ）聖書的自由論

 

第二講、近代民主主義政治

　一、政治とは

　二、民主主義とは

　三、前史

　　（ａ）古代ギリシャ・ローマのデモクラシー

　　（ｂ）古代民主政と近代民主政の違い

　四、どこから、（初期）近代民主主義の起源

　　（ａ）二つの市民革命

　　　（１）二つの「市民革命」の比較

　　　（２）「フランス革命」

　　　（３）「イギリス市民革命」

　　　（４）「アメリカ革命」

　　　（５）契約神学

　　　（６）アメリカ独立１３州人権宣言からフランス人権宣言へ

　　　（７）日本国憲法へ

　　（ｂ）「信教の自由」が「基本的人権」の基となった歴史的理由

　　（ｃ）初期近代民主主義の現場リポート

　　　（１）イギリスの現場リポート（ヴォルテール）

　　　（２）集会の精神

　　　（３）アメリカの現場リポート（トックヴィル）

　　（ｄ）地方自治は民主主義の学校

　五、ここへ、後期近代民主主義

　　（ａ）議会、（ｂ）選挙、（ｃ）政党、（ｄ）憲法、（ｅ）国民主権、　　

　　（ｆ）日本のデモクラシーの歴史

 

第三講、近代資本主義経済

　一、経済とは

　二、前史

　三、どこから、（初期）近代資本主義の起源

　　（ａ）近代資本主義とキリスト教

　　（ｂ）「前期資本主義」と｢近代資本主義｣

　四、ここへ、後期近代資本主義

 

第四講、どこへ、ハイパー・モダン社会の課題

　一、政治の課題

　　　ハイパー・モダン政治の課題（超民主主義）

　　（ａ）社会民主主義（平等）、自由民主主義（自由）

　　（ｂ）憲法について

　　　（１）「平和主義」のミッション国家目指して

　　　（２）天皇制

　　　（３）官僚制

　　　（４）政教分離（寛容と自由）

　　　（５）財産権

　　　（６）憲法改正について

　　（ｃ）外交

　　　（１）国連

　　　（２）同盟

　　（ｄ）多元的国家論（地方分権、中間団体（アソシエーション））

　二、経済の課題

　　（ａ）ハイパー・モダン経済の課題（超資本主義）

　　（ｂ）エコ・エコノミーへ

　　（ｃ）財政

　　（ｄ）金融（マルクスのトラウマ）　

　三、日本の課題と選択

　　（ａ）民主主義の問題

　　　（１）ポピュリズム（大衆迎合政治）

　　　（２）デマゴギー（民衆扇動政治）

 　  （ｂ）「聖書によらない近代」としての現代の行く末

　　（ｃ）「聖書による近代」の回復

　四、「獣の王国」と「小羊の王国」

　　　　あとがき